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【函館ハイジャック事件】犯人の九津見文雄は病気?事件を起こした理由は?

2025年6月24日(火) 19:00~「THE航空パニック2025」で函館ハイジャック事件について放送されます。

1995年6月21日、羽田空港を飛び立った函館行き・全日空857便で突如起きた「ハイジャック」は乗員乗客365人の命を預かる日本の航空史上、極めて重大な事件として記憶されています。

ハイジャックした犯人は九津見 文雄(くつみ ふみお)

この男は、病気を患っていた噂がありました。

病気の噂は本当?どんな病気を患っていた?九津見文雄はなぜ、このような事件を起こしたのか?など調査しました。

この記事でわかること

・犯人の九津見文雄は病気?

・犯人の九津見文雄が病気と報道された理由。

・犯人の九津見文雄が事件を起こした理由

最後までぜひご覧ください。

函館ハイジャック事件の概要

1995年6月21日に羽田空港発函館空港行きの飛行機(全日空857便)が、午前11時45分ごろ山形県上空で九津見文雄(当時53歳)にハイジャックされました。

九津見文雄は、オウム真理教の信者を名乗り、サリンを所持しているとして客室乗務員を脅し、365人(乗客344人、乗員21人)を人質にとりました。そして、麻原彰晃の釈放と、燃料を補給して羽田空港に引き返すよう要求したのです。

しかし、オウム真理教幹部は、「これはオウム信者のやったことではない」と、事件との無関係を主張。

後に、九津見文雄は、休職中の東洋信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)行員であり、オウム真理教と無関係である事が分かっています。

事件解決の裏には、乗客の一人が密かに新聞紙に隠してトイレの中へ持ち込んだ携帯電話で、犯人の状況を110番で警察に伝えた事ではじまります。

当時携帯電話は、まだ一般に浸透していなかった為、犯人も油断したのでしょう。

警察は、強行突入を決め、警察特殊部隊が突入!全員無事救出・犯人逮捕に繋がりました。

この事件は、日本で初めて強行突入が実施されたハイジャック事件となりました。

九津見文雄は病気だったのか?

全日空857便ハイジャック事件の裁判では、犯人である九津見文雄の責任能力の有無が争点となりました。

「九津見文雄被告は、精神疾患を持っていたために犯行時は心神耗弱状態にあった」と弁護人は主張しています。

最終的に九津見文雄は、精神疾患では無く、責任能力ありと判断され懲役8年の有罪となっています。

しかし、事件後の精神鑑定で「妄想性障害」またはそれに近いとされる診断結果が出ている事から、統合失調症やその他様々な精神疾患を患っていたのではないのでしょうか。

事件当時は今よりも精神疾患に対する理解も薄く、またこれだけ大きな事件を起こしているので心身衰弱で無罪にするわけにもいかず、「精神疾患では無い」と理由付けたのかと思います。

では、どのような精神疾患を疑われたのか見ていきましょう。

双極性障害

弁護側が提出した簡易鑑定では、「九津見文雄被告は犯行時に双極性感情障害の躁状態にあり、物事を判断する能力が著しく低下していた」との結果が出ていました。

双極性障害については以下のような精神病となります。

双極性障害とは?

双極性障害(そうきょくせいしょうがい)は、気分が異常に高ぶる「躁(そう)」と、ひどく落ち込む「うつ」の両方の状態を繰り返す心の病気です。昔は「躁うつ病」と呼ばれていました。

一方で検察側の鑑定では「九津見文雄被告は犯行時にヒステリーな性格であったと思われるが、これは単なる性格の問題であり、物事を判断する能力はあった」とされました。

つまり、精神疾患では無いという判断をされたのです。

自律神経失調症

他の情報では精神障害以外に知的障害があったために本名が明かされなかったと書いているサイトも見受けられましたが、裁判の記録を読む限り九津見文雄に障害はなく、自律神経失調症の診断を受けていたことだけが明らかになっています。

自律神経失調症は精神疾患とはまた別の病気です。

自律神経失調症とは?

自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)は、自律神経のバランスが乱れて、体や心にさまざまな不調が出る状態のことです。動悸、息苦しさ、めまい、ふらつき、頭痛、胃腸の不調など様々な症状がでます。

最終的に函館地方裁判所は、これらの鑑定結果を参考にしたうえで、「被告人は犯行時に躁うつ病の診断を受けておらず、具体的な供述からも責任能力はあったと考えられる」と判断。

1997年3月21日に懲役8年の実刑判決を言い渡されます。

統合失調症

自律神経失調症が極度に悪化すると、統合失調症につながる可能性があります。

この後の説明でも出てきますが、九津見文雄は、酷い妄想癖がある為、統合失調症の疑いも考えられました。

統合失調症とは?

統合失調症(とうごうしっちょうしょう)は、現実と自分の考えがうまく整理できなくなってしまう脳の病気です。思考・感情・行動に影響が出ます。

犯行当時は53歳なので近年発症したわけではなく、もしかしたら若くして発症していた可能性もあります。

精神疾患と報道された理由

九津見文雄が精神疾患と報道された理由

・オウム真理教の信者:実際には無関係。妄想の主張。

・精神鑑定:事件後に行われた精神鑑定で、「妄想性障害」またはそれに近いとされる診断結果。

・非現実的な言動:犯行の動機・目的が一貫せず、現実と乖離(「スパイとして重要な任務を果たす」と主張)

・模造銃による脅迫:武器は本物ではなく、脅しが通用すると思い込んでいた点も判断力の異常と見なされた。

・裁判所の判断:起訴後、精神状態を考慮し、刑の軽減や責任能力に関する議論がなされた(※責任能力は「限定的にあり」と判断され、有罪にはなっている)

「オウム真理教信者」妄想の主張

九津見文雄は、オウム真理教の信者だと主張しハイジャックを起こしています。

実際は、無関係だった事がわかっていますが、本人は嘘をついたわけではなく、本当にオウム真理教信者として妄想し、ハイジャックを起こしていた可能性があります。

その為、事件後に行われた精神鑑定で、「妄想性障害」またはそれに近いとされる診断結果が出ています。

偽物の武器

ハイジャック時で所持していると脅したプラスチック爆弾が粘土で作った偽物であり、サリンと思われていたビニール袋の中身も水であった事が判明しており、脅しが通用すると思い込んでいた事も異常です。

この事も判断力の異常である事から、精神疾患が疑われた一つです。

なぜ、九津見文雄は事件を起こしたのか。

生命保険で家族にお金を

九津見文雄は結婚していて子どもがいます。1965年に結婚し、妻との間に3人の子をもうけていたそうです。さらに1989年に仕事の接待で知り合った女性と親密になり、彼女との間にも子どもが誕生していたとも言われています。

2つの家庭を養わなければいけなくなったことから、副業として業務実態のない会社を運営して裏金調達をし、愛人とその子どもの生活費を出していました。

ところが、勤務先に「あの行員は愛人に子どもを産ませていて、怪しい会社経営の副業までしている」といった旨の匿名の投書が届き、九津見文雄は出世の道を絶たれてしまったのです。

2人の妻と4人の子どもを養うだけのお金を稼げなくなった九津見は経済的に苦しくなり、その悩みから自律神経失調症を患いました。

さらに肝機能障害高脂血症も発症し、1994年10月からは休職扱いになるのです。

事件を起こした理由としては、「自殺をして生命保険で家族にお金を渡したい」と話していたそうです。

とても身勝手な動機ですね。

九津見文雄は、事件後に東洋信託銀行を懲戒解雇されています。

世間から称賛されたい

こうして多くの悩みや病気を抱えた九津見は自殺を考えるようになり、「麻原彰晃を道連れに自殺して、世間から称賛されたい」と思うようになったといいます。

この考えが、まさに精神疾患をもつ人の症状ですね。

まとめ

今回は、【函館ハイジャック事件】犯人の九津見文雄は病気?事件を起こした理由は?について調べました。

裁判では、精神疾患ではないという結論でしたが、この記事での見解は、精神疾患はあったと考えます。

・九津見文雄は、精神疾患を患っていた。
双極性障害、自律神経失調症、統合失調症、妄想性障害

・九津見文雄は、精神疾患はないとし、懲役8年の有罪になった。
事件当時は今よりも精神疾患に対する理解も薄く、またこれだけ大きな事件を起こしているので心身衰弱で無罪にするわけにもいかず、「精神疾患では無い」と理由付けたと考察。

・ハイジャック事件を起こした理由は、愛人を作った事で生活が困窮し「自殺をして生命保険で家族にお金を渡したい」「麻原彰晃を道連れに自殺して、世間から称賛されたい」という身勝手な理由。

精神疾患があったとしても、事件を起こした事は決して許される事ではありません。

法に裁かれた事は当然だったと思います。

九津見文雄が精神疾患であると考察した理由としては、事件を起こした理由が物語っていると感じます。

二度とこのような事件が起きませんように。

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この記事を書いた人

沖縄にゆかりのある夫婦で運営しています!30代で南の島でのんびり暮らしながら日々、トレンドを記事にしています。

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